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■新会社法で何が変わるのか?■
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 新会社法により、これまでの会社設立と何が変わるのか?それを一言で
表現するなら、ズバリ

 「株式会社が設立しやすくなった」ということです。

 具体的に、どう設立しやすくなったのかというと、次の4つがポイントに
なります。

 1.最低資本金の規制がなくなった

 2.会社の組織構成を柔軟に決定できるようになった

 3.取締役は1人でもOK!役員任期も最長10年に!

 4.会社設立手続きが一部、簡略化された


 では、それぞれのポイントについて詳しく見てみましょう。


●最低資本金の規制がなくなった

 これまでは、株式会社は1000万円、有限会社は300万円以上の財産
を資本金として会社設立時に準備しなくてはなりませんでしたが、この最低
資本金の規制が廃止されます。

 事業を営んでいない個人に限り、株式会社又は有限会社でも資本金1円で
OKという特例制度(確認会社制度)がありましたが、今後は、誰でも資本金
1円から株式会社が設立できる
ことになります。

 そもそも、この最低資本金制度の目的は、会社の取引相手のために、事業
規模に応じた財産を確保するということでした。

 ところが、近年になってベンチャービジネスを代表とする、必ずしも多額
の資本を必要としない業種が台頭してきたので、最低資本金制度が、これら
の新規参入者の障害になってきました。

 加えて、資本金の金額は、必ずしも会社が保有する最低限度の財産を示し
ているものではありません。これらを考慮した結果、最低資本金制度はいら
ないという結論になったようです。


■しかし、良い点ばかりではありません・・・

 最低資本金制度がなくなったということは、会社を設立後、様々な会社と
取引きを始める際に、十分な調査が必要になるということです。

 商品の代金を請求しようにも、取引相手の会社には1円も財産がなかった
など、笑えない状況になります。

 これまでのように、株式会社といえば「少なくとも帳簿上は1000万円
の財産があるだろう」という信頼はなくなります。これから取引を始める際
に、相手方の商業登記簿謄本を参照することは最低限必要な作業となります。

 特に、資本金が極端に少ない株式会社と多額の取引をする場合は、相手
会社の役員の連帯保証を求めるなど、自らの債権の保全を前もって検討して
おくことが大切です。


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●会社の組織構成を柔軟に決定できるようになった

 新会社法では、自分の事業にあった形で会社の機関(組織構成)を柔軟に
決めることができます。会社の機関とは、簡単に言えば、会社を運営する
組織のことです。

 まず、株式会社の大きな区分としては、「公開会社」と「非公開会社
の二つとなります。最初に、公開会社と非公開会社、どちらにするのかを
決定し、それから必要な機関を決めていきます。

■公開会社とは
 発行する全部または一部の株式を譲渡する場合、株式会社の承認が必要で
ない会社のこと。

■非公開会社(株式譲渡制限会社)とは
 発行する全ての株式について、その譲渡を制限している会社(株式を譲渡
する場合に株式会社の承認が必要)のこと。
(一部の株式についてのみ譲渡制限を行っている場合には、非公開会社とは、
なりません)

 株式に対する譲渡制限を決めた後に、
 ・「株主総会
 ・「取締役
 ・「取締役会
 ・「代表取締役
 ・「監査役
 ・「監査役会
 ・「委員会
 ・「会計監査人
 ・「会計参与
 といった機関の設置について検討していくことになります。

 機関によっては、必ず設置しなくてはならないものと、設置を任意に決定
できるものがあります。会社の将来も考えて、自分の事業計画にあった組織
設計を行う必要があります。

・会社の組織構成を決める際のポイントを詳しく知りたい方は、
 →【会社の組織構成はどうするか?】へ


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●取締役は1人でもOK!役員任期も最長10年に!

■役員の人数
 これまで株式会社を設立するためには、取締役会という機関を設置し、最低
でも取締役3名監査役1名が必要でした。新会社法では「非公開会社」で
「取締役会」を設置しない場合は、取締役1名でも株式会社が設立できる
ようになります。

■役員の任期

 役員の任期は、原則としては従来と同様に、取締役は2年、監査役は4年
ということで変わりません。
 但し、「非公開会社」の場合は、定款に定めることにより、役員の任期を
10年とすることができます。

 これまでは、役員が変わらなくても数年毎に役員登記をしなくてはならず、
費用と時間が掛かりましたが、「非公開会社」に限り、最長で10年間は、
役員が変わらなければ登記しなくて済みます。


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●会社設立手続きが一部、簡略化された

■類似商号調査が不要になる!

 「類似商号調査」とは、同じ地域に、同じ会社名で似たような商売をして
ている会社がないかを調べることです。

 似たような会社名が複数あると、取引する人が誤解するなど、まぎらわし
いという理由から、同じ市町村内で類似の事業目的を持った会社が既に存在していると、これまでは、その商号は登記できませんでした。

・類似商号の一例
「株式会社 大丸」と「株式会社犬丸」は類似商号
「株式会社 平和堂」と「株式会社 和平堂」は類似商号
「マルイシ産業」と「マルイシ商事」は類似商号 etc.


 新会社法では、類似商号についての規制はなくなりましたので、基本的に
は、類似商号であっても登記できます。

 ですが、可能性としては極めて低いですが、同じ住所で同じ商号の登記
は認められません


例えば、
・「一丁目2番3号」と「一丁目2番3号401号室」は同一住所とみなさ
 れ、登記できません。

・「一丁目2番3号301号室」と「一丁目2番3号401号室」は同一
 住所とはみなされませんので、OKです。

 また、たとえ登記されて会社が設立できたとしても、有名企業や近隣に既
にある会社と同じような名前で事業を行った場合には、将来的に不正競争防止
法などを根拠に損害賠償請求や商号の使用差し止め請求をされるといったこ
ともあり得ますので注意が必要です。

 そういう意味から、やはり類似商号調査は行っておいた方が安心です。


■金融機関への「払込保管証明書」が不要になる!

 これまでは、会社設立登記の際に、資本金が金融機関に保管されている
ことを証明する書面「払込保管証明書」が必要でした。

 新会社法により、資本金は1円からOKとなりましたので、証明書も不要
ということなのでしょう。

 発起人設立(資本金を出す人が決まっている)の場合、金融機関の「残高証
明書」などの方法で、資本金の払込を証明できるようになります。これで、
金融機関で証明書をもらう手間と費用が不要になります。


 尚、募集設立(発起人以外の人にも資本金を出資してもらう)場合は、これ
までと同じ方法による証明が必要となります。


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