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■有限会社を株式会社に変更する■
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 現在、有限会社を経営されている皆さんの中には、新会社法施行後は、
とりあえず「特例有限会社」として存続することを選択する方と、資本金の
制約もなくなったので、この際、株式会社に変更することをお考えの方の
二通りがあると思います。

 そこで、新会社法での株式会社と特例有限会社を比較し、そのメリットと
デメリットを紹介しますので、参考として下さい。但し、一度変更したら、
有限会社には二度と戻れませんので、会社組織変更の判断は、慎重に
行って下さい。



●特例有限会社が株式会社となるメリット

メリット1:社会的な信用が高くなる

 新会社法施行後は、有限会社が廃止され、最低資本金制度も撤廃されます
ので、これから設立する会社のほとんどは株式会社になるでしょう。

 有限会社か株式会社かという会社の形態だけで対外的な信頼度を決めるの
は、根拠のないことですが、世間一般の印象として、株式会社の方が格上と
いうのがあるのは事実です。

 株式会社に変更することで、顧客や取引先に対しても印象が良くなるのは
間違いありません。

 株式会社への変更を行わない場合、そうした状況において、比較的に対外
的な信頼度・評価が低い有限会社として経営していくことになります。

 一方では、有限会社を新規に設立することができなくなるので、将来的に
「有限会社」という名前により、歴史のある会社という印象を与えるように
なるかもしれませんが・・・。


メリット2:企業・事業の再編ができる

 特例有限会社は、吸収合併して存続する会社や、吸収分割して承継する
会社になることができません。また、株式交換や、株式移転を行うことも
できません。

 一方、株式会社の場合は、吸収合併存続会社や吸収分割承継会社になれる
ことはもちろん、株式交換や、株式移転も行えますので、積極的な事業拡張
や株式の公開(上場)を目指す場合には、株式会社への変更をオススメします。


メリット3:株式の譲渡制限の定めを変更できる

 特例有限会社の定款には、「株主以外の人が、会社の株式を譲渡により
取得するには、株主総会の承認が必要」、「現在の株主が株式を譲渡により
取得する場合には、株主総会は承認をしたものとみなす」という規定がある
ものとされ、これと異なる定めを儲けることができません。

 このため、譲渡が自由な株式を発行することはもちろん、株主間での譲渡
を制限する株式を発行することも不可能です。

 この点、株式会社は、株式の譲渡制限を変更できますので、敵対的株主
(既存の株主が敵対的株主となる場合を含む)が現れた場合に、株式の取得を
阻止できるなど、自分の会社を守ることができます。

 身内で経営する特例有限会社では、敵対的株主の出現などは少ないと思い
ますが、身内だからこそ、会社の乗っ取りなどの紛争が起きるという面も
あると思います。


メリット4:会計参与、会計監査人を設置できる

 特例有限会社は、「株主総会」、「取締役」、「監査役」以外の機関を
設置することができません。

 これから、総株式会社化が進むことや、最低資本金制度が撤廃されること
を考えると、決算書などの計算書類の適正な作成とその開示を行うことが
会社の信用UPにつながります。

 会計参与制度は、中小企業の計算書類の信頼性を高める有効な手段として
期待されており、既に一部の金融機関では、融資先に対して会計参与の設置
を勧めることや、会計参与を設置する会社には、金利を優遇するローンなど
が検討されています。

 ただ、会計参与を置くと、会計参与の責任範囲やコストの問題もあります
ので、会計参与を置く場合にも問題はあります。


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●特例有限会社が株式会社となるデメリット

デメリット1:役員の任期が制限される

 新会社法では、原則として取締役は2年、監査役は4年という任期が定め
られています。(「非公開会社」は、定款に定めることにより最長で10年
の任期とすることが可能)

 役員に変更がなくても、任期がくれば役員登記をしなくてはならず、登録
免許税として1万円のコストがかかります。役員変更(更新)登記を忘れたり、
手続きを怠った場合には、罰金(過料)も取られます。

 特例有限会社である限りは、役員の任期は無制限ですから、役員変更(更新)
登記は不要です。新会社法でも、「非公開会社」は役員任期を10年とする
ことが可能ですから、大きなデメリットとはいえないかもしれません。


デメリット2:決算書類の公告が必要になる

 決算公告とは、株式会社が前年度の決算内容(貸借対照表など)について
株主総会の承認を得た後、その要旨を債権者や投資家に広く伝えるために、
官報または会社の定款で定めた日刊新聞紙に掲載することです。(ホームペ
ージのURLを登記し、インターネットによる公開も可能)

 株式会社にはこの決算公告が義務付けられています。決算書類の公告に
かかるコストは、最も安価とされる官報でも、1回あたりの掲載料が中小
会社で5−9万円、大会社で11−35万と高額です。

 というのが建前ですが、決算書類の公告を毎年きちんと行っている株式
会社は一握りであり、ほとんどの会社は決算公告を行っていないというのが、
実状です。この決算公告を怠ると100万円以下の過料となっていますが、
過料を受けたという話は皆無と言われています。

 まあ、法律上は毎年、決算公告しなくてはいけませんので、デメリットに
あげておきます。


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●有限会社を株式会社に変更する方法

 特例有限会社を株式会社に変更するにあたり、最初に決めることは、
「公開会社」にするのか「非公開会社」にするのかを決めることです。

 そして、次に取締役や監査役の任期を決めます。原則、取締役は2年、
監査役は4年です。ただし、非公開会社では、定款でそれぞれ10年まで
延ばすことができます。


■有限会社から株式会社定への変更手続き
 (手続き期間:1週間程度、登録免許税:6万円)
1.株主総会を開催する

定款変更の決議を行い、「有限会社○○」から「株式会社○○」に
変更することを決議する。
2.登記申請書、議事録の作成

株式会社に変更するにあたり、取締役の特別決議を行ったことを
証明する書類(取締役決議書など)を作成します。
3.変更登記申請を行う

本店所在地を管轄する法務局へ、
『有限会社の解散の登記』と『有限会社から移行して株式会社を
設立した旨の登記』を同時に行う。

※登記の手続き上「設立・解散」という言葉を使用していますが、
 事業が中断したり、会社がなくなる訳ではありません。
4.登記が完了する

法務局での事務手続きが完了すると、『株式会社○○』の登記簿
謄本を取得できます。


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