ここでは、起業に関係すると思われる、注目のトピックスを纏めてみまし
たので、起業、経営の参考として下さい。
■会社役員に関わる税制改革
昨年12月15日、平成18年度税制改正大綱が発表されました。
新聞やテレビの報道では、納税者全般に関わる改正として、定率減税の廃止
や酒税、たばこ税などがクローズアップされていますが、その中にこっそり、
中小企業に非常に影響のある改正が盛り込まれていました。
それが「役員給与の給与所得控除相当額 損金不算入」です。
この法案が国会を通れば、平成18年4月1日以降開始事業年度からの適用
開始となります。
個人事業が法人成り(事業を会社組織にすること)する大きなメリットの一つ
が、節税です。
個人事業者であれば「実額の経費」しか控除できませんが、会社にして役員
給与をとる方法にすれば、給与は会社の経費でカウントできる上に、役員
給与からも「給与所得控除」という概算経費を控除できます。
これまでは、この「経費のダブル控除」ができるので、節税になるという
ことでしたが、今回の改正により、「一定の同族会社の経営者に支払う役員
給与については、給与所得の概算経費分に法人税を課します」ということに
なります。
個人事業と実態が変わらない会社については、「実額の経費」と「給与所得
控除」のダブル控除は認めない、つまり、企業の実態に即した課税を行いま
すよ、という趣旨です。
これは、今春から新会社法施行により、少ない資本で会社設立ができるように
なり、個人事業からの会社設立ラッシュが見込まれることから、このような
規定が設けられたのではないか? とも言われています。
政府は、なんとかして税金を取ってやろうとしか考えていないようですね。
■適用の対象は?
適用の対象となるのは、以下の2つの要件を満たす会社となります。
・業務主宰役員及び、その同族関係者等で発行済み株式の総数の90%以上を
保有(有限会社の場合は、出資額の90%以上を保有)
・その業務主宰役員等が、常務に従事する役員の過半数を占める
※業務主宰役員とは、オーナー経営者など、「経営権を行使して職務を執行
する中心的な役員」と考えられます。
但し、(業務主宰役員の給与+法人所得)の直前3年内の平均額が800万円
以下又は、800万円超3000万円以下で、かつ、この平均額に占める
業務主宰役員給与の額の割合が50%以下の場合には、この適用はありま
せん。
つまり、儲けの半分超を、オーナー経営者に「役員報酬」として支払って
いる会社の大半は、この要件に当てはまってしまうのではないでしょうか?
■実際どのくらい税額が増えるのか?
この要件を満たす会社の業務主宰役員が、年1200万円の役員報酬を得て
いたとします。
この場合、給与所得控除額が230万円になりますので、中小企業の実効税率
を30%とすると、約69万円の法人税等が増加することになります。
適用対象となる会社にとっては、かなり重い税負担増ですね。
■考えられる対応策は
仮に年俸1200万円のオーナー経営者が、この改正の適用対象法人となれ
ば、増税額は約69万円ですから、これはなんとか回避できないものか?と
思うのが自然です。
そこで、適用要件を見てみると、いくつか回避策が考えられます。
【回避策その1】身内以外に株式の一部を渡す
同族関係者等以外の人に、株式の10%超を譲渡または贈与します。この
場合、譲渡時の価格が適正(時価)かどうかがポイントになります。
そして、実態が伴った譲渡であるかどうかもポイントです。
(譲渡契約書、取締役会議事録、譲渡対価の授受など)
その後、きちんと税務申告(株式譲渡所得、贈与税等)もしましょう。
また、株主権を譲り渡すのですから渡す相手は慎重に選び、必要以上に多く
渡しすぎないようにしましょう。
※親類以外であっても、事実上婚姻関係と同様の事情にある者等、一定の人
への譲渡については、同族関係者等への譲渡になるので注意
【回避策その2】役員を増やす
業務主宰役員等が「常務に従事する役員」の半数以下であればこの規定の
適用除外となります。
そこで、従業員の中に経営上重要なポジションにいる人がいれば、その人を
役員に登用するのも一つの手です。
この場合には、必ず役員就任予定者に、取締役の義務や責任について説明し、
承諾を得るようにしましょう。
「常務に従事している役員」であることがポイントなので、名目だけの役員
を登記しても、意味はありません。
■否認される可能性も……
これらの回避策は、形式も実質も満たしながら実行しなくては税務調査で
否認される可能性は大です。
そのため、節税本や節税コンサルのアイデアに安易に飛びつかずに、顧問
税理士等によく相談し、要件を満たすよう慎重に準備したうえで、回避策を
行いましょう。
■平成19年度の税制改正で要件が変更されます
現行は、法人所得と社長の年間の給料の合計額が800万円以下の場合が
適用除外となっていますが、今回の税制改正で、これが1,600万円以下まで
引き上げられることになりました。
導入後、一度も確定申告期を迎えていないのに、早くも制度改正されたのは
異例の措置です。やはり、法人化のメリットを著しく妨げるものなので、
政府も少しは考えてくれたのでしょう。
これにより、設立時に急いで対策することも少なくなるでしょう。
【参考】国税庁 役員給与に関するQ&A(PDFファイル)
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■制度の概要
青色申告法人の損金(経費)に算入される教育訓練費の額が、直前の2事業
年度の平均額より増加している場合、支出した教育訓練費のうち、一定の
割合を当期の法人税から控除する制度です。(2008年3月31日までの期間限定)
■税額控除の対象となる教育訓練費
具体的には、以下の費用が対象となります。
(1)講師、指導員等の経費
・社外講師、指導員に支払う講師料
(2)教材費
・研修用の教材、プログラムの購入料など
(3)外部施設の使用料金
・研修を行うための外部施設などの借上げ料、利用料
(4)研修参加費
・企業が指定した従業員教育訓練のための講座受講料、参加料
(5)研修委託費
・研修を外部教育機関へ委託する場合の費用
■控除額
「基本制度」と「中小企業者等の特例」のうち、より減税額が大きくなる方
を選択することができます。
(1)基本制度
直前の2事業年度の平均額より増加した額の25%を税額控除する。
(2)中小企業者等の特例
直前の2事業年度の平均額に対する増加率の1/2に相当する割合を、
総額から税額控除する。
【具体例】
直前の2事業年度の平均教育訓練費が100万円の中小企業が、適用する事業
年度に教育訓練費が40万円(40%)増加した場合
・基本制度の場合
40万円×25%=10万円
・中小企業者等の特例の場合
(100万円+40万円)×40%×1/2=28万円
この場合、税額控除が大きい「中小企業者等の特例」を使い、28万円を
税金より控除できます。詳しくは、お近くの税務署にお問い合わせ下さい。
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●ペイオフ解禁(2005年4月1日より)
■ペイオフとは?
ペイオフとは、金融機関が万一破綻したときに預金者を保護するため、
金融機関が加入している預金保険機構が、預金者に一定額の保険金を支払う
仕組みのことです。
平成17年4月以降、個人、法人に関わらず当座預金や利息の付かない普通
預金は「決済用」として全額保護され、定期預金や利息の付く普通預金など
は1金融機関につき預金者1人当たり、元本1千万円までとその利息のみが
保護されることになりました。
■ペイオフの対象とならない預金
・当座預金、
・決済用預金(無利息、決済サービスを提供できる、要求払いに対応を全て
満たす預金)
■1預金者の預金合計金額の特定(名寄せ)
・1人の預金者が普通預金や定期預金など複数の預金をしている場合は、
各種預金の金額の合計額で判断されます。
・1人の預金者が1金融機関の複数の支店に分けて預金していた場合、
全ての支店の預金の合計額で判断されます。
・夫婦、親子でも、それぞれの名義であれば、別々の預金者として扱われ
ます。
・法人も1預金者として扱われます。同一預金者であるかどうかは実質的
に判断されることになります。例えば、「A商事東京支店」と「A商事
大阪支店」という名義の預金は「A商事」という1預金者として扱われ
ます。
・有限会社や株式会社という法人登記をしている場合は、別名義として区別
され、それぞれが1000万円まで保護の対象となります。
・法人格を持たない個人事業者の預金は、事業用・個人用の預金を問わず
同一名義と考えられてしまい、預金は合算され、合計で1000万円までが
保護の対象となります。
■事業者の対策
・口座残高1000万円を上限として別々の銀行に預ける
・決済用預金や当座預金に預け換え
・国債や地方債などを購入して、資産を分散させる
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